今回の取材先は株式会社正洋代表取締役の川村さんです。
テクノラボ社内にて『コンパクト湯沸かし器』についてのお話を伺いました。

私にとって電化製品と言う言葉は、スイッチが並んでいたり、文字の並ぶ液晶パネルがあるような製品を思い浮かべます。ですがこの製品には1つのスイッチしかありません。電化製品としては”無口”な印象なのです。あれこれ複雑な操作方法もなければ、操作指示もありません。でも、無駄な機能がないシンプルな製品の訳には壊れにくいという理由が隠されていました。        (2015/4/16 田所)

信頼できる製品こそ、旅先で必要とされる

きっかけは壊れにくい製品への追求

ーー私はテクノラボに入社してこの正洋さんの製品を見るまで携帯湯沸かし器を知らなかったのですが、開発のきっかけは何ですか。

携帯湯沸かし器というのはいわゆる投げ込みヒーターを旅行者用にしたもので、カップ1杯分のお湯を沸かすことができます。
私は以前勤めていた会社でも携帯湯沸かし器を作っていました。その製品はセラミックのヒーターを使っていまして、わき上がりが早く”湯沸かし”の観点では申し分のない人気製品でした。

ただその製品には2点の難点があり、この難点が私なりのヒーターを作ろうと思ったきっかけです。」

ーー難点とは何ですか。

 「難点とはセラミックヒーター自体が高額なため製品も高くなってしまったことと、もう一つは熱い状態から冷たい水に入れると目には見えないヒビが入る場合があったことです。牛乳瓶に熱湯を入れるとヒビが入ってしまうように、セラミックも陶器ですので同様にヒートショックという現象が起きてヒビが入る場合があります。セラミックという素材の特性上どうしてもヒートショックは免れません。旅行先で使えなくなってしまったという問い合わせも受けていました。

 会社が変わってからもヒートショックの問題がずっと頭にありました。そこで工業用の投げ込みヒーターのようにステンレスを使ったヒートショックが起こらない製品を作ろうと思ったことが開発のきっかけです。」

ーー素材を変え、新しい製品になったわけですが、他にも違いはあるのでしょうか。

 「製品を作るにあたってコンパクトであること、世界中で使えること、旅行者が使いやすいこと等性能ももちろん大事にしておりましたが、それ以上にこの製品で重視したのは安全性です。お客さんの手に渡ってしまえば、どういった使われ方をするかわかりません。なので多少の性能は落としてでも、安全な製品にしようという思いでこの製品を作りました。」

事故を防ぐ3つのセンサー

高城剛 未来を生きるためのモノと知恵 『温かいモノがある幸せ 知っていますか?』
高城剛さんの著書内でこの携帯湯沸かし器が取り上げられています。そのページのタイトルが上記です。この本は、高城さんが2年かけて99%の私物を処分し、残った1%の生活必需品を紹介している本です。
「安全面以外でもたくさんの工夫を凝らして作った製品なのでプロに使ってもらえ、さらには選ばれたということは嬉しいですね。」
川村さんは息子さんの友人からの情報で知ったとのこと。この仕事の嬉しかったこととして教えていただきました。
高城剛 (2012)
「LIFE PACKING:未来を生きるための
モノと知恵」 普遊舎



開発で得た知識やルートを活かし、さらに良い製品を

開発を通して

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