お客様から、もう使わなくなった金型の廃棄を依頼を受けることがございます。費用を頂戴せずに対応可能な場合もあるのですが、廃棄と併せてマニフェストの提出をご依頼される場合は有償になります。
マニフェストというのは、金型を産業廃棄物として処分する際に発行される書類です。産業廃棄物を不法投棄しないことを保証するために、廃棄物の輸送業者が廃棄の経路を記載したものがマニフェストです。マニフェストの発行は許認可を受けた廃棄物処理業者でなければ出来ず、その発行と適正な処理には費用が掛かります。こうしたルールは廃棄物処理法に厳密に定められているのです。
でも、金型はもともと鉄でできています。鉄はそもそも有料で買い取りされるのが前提で有価物として売買される限り、廃棄物処理法の適用を受けません。(厳密にはもう少し細かい条件がありますが…)
ですので、弊社が金型を処理する場合は、通常こうした有価物としての処分になるので無料対応が出来るのです。なぜなら、有価物となる金型は廃棄物買取工場に引き取られ、この場合の金型の輸送料は、廃棄物として買い取られる費用の範囲内に収まることが多いので、実質無料で引き取る買取業者が多いためです。
こうした有価物として金型を処分した企業の責任で、廃棄処理証明を発行することは良くあります。
ただこれは廃棄物処理法上の証明書類ではありません。
ではどちらが「正当」なのでしょうか?
そもそも明らかに有価価値がある金属を「産業廃棄物」として処理することは、廃棄物処理法の目的(不法投棄の阻止)に適わないばかりでなく、現在声高に叫ばれる資源循環の思想としてはNGです。
環境省が廃棄物処理法の定めた不法投棄の阻止は前提としたうえで、更に資源循環に関する諸法律の制定に奔走している状況から見ても、時代遅れの考えだと個人的に考えています。
マニフェスト(産業廃棄物)として処分するのではなく、資源として処分して欲しいと思うのですが如何でしょうかね?