企業は社会の歯車だと言います。大きな歯車は社会にとって大切ですね。それなしに社会が立ち行かなくなりますから。ただ社会というものは、ずっと同じ訳ではないので、そのために小さな歯車もすごく大切だと思っています。
大きな会社(歯車)は社会に必要だから高く評価されます。対して小さな会社は結構替わりが利くから余り重要視されない面があります。まぁ当然ですね。もちろん小さくても絶対にソコに必要な会社もありますが、あくまで例外です。だからと言って小さな会社の存在が重要でない、ということはないでしょう。
技術や国際情勢の変化で社会はガラリと変わります。今まで大事だと思っていた役割が不要になってしまいます。そんな時、社会の変化に合わせて他の産業が生まれ、そこに居る小さな歯車が次の大きな歯車に育ってゆくのです。これが社会の新陳代謝でそのために小さな会社が必要だと思います。
大きな会社が社会の変化に合わせて変われれば良いんですが、大きい歯車は古い仕組みの中で最適化しているからこそ価値があるのです。ほとんど不可能でしょう。
これまでも大きい会社は製鉄や造船から半導体産業に取って替わられ、百貨店やスーパーからeコマースへ、テレビからネットへと常に移り変わっているのが歴史です。
だから小さな新しい会社がたくさんあることは、社会が健全な証拠です。社会がそれだけ変化について行けるってことですから。若者が多い社会は、変化に強くて活気があるように、企業も若い会社が多い方が良いわけです。
翻って私達の日本を見ると、残念ながらその反対の方向に進んでいるようです。ネットでいうところの「老害」な国になっているのでしょう。
アメリカやオーストラリアといった10%を超える開業率の国に対して、日本は5%程度で調査国全体の中でもビリに近い水準です(Global Entrepreneurship Monitorの調査)。
高度成長期(1970年初頭)には企業数の純増(開業数-廃業数)が6.7%だったのに対して、ここ数年はマイナスから1%未満という状況が続いています(国税庁統計年報書)。
これでは他の国とまともな競争ができる訳がないな、としみじみ思います。
因みにいま日本の平均年齢が上がっていることと、社会の大企業指向が強くなっていること(中小企業の雇用者数が減少していること)は、変化を嫌うという点で良く似ていると思います。
これからの日本に、変化を求める若者とそんな若者が作った中小企業がたくさん出来ればいいなと思います。
私達おっさんはどうせほどなく死んじゃう訳ですから、今の若い人たちに頑張って欲しいです。
応援してまーす。
林 光邦
-PS-
歯車の画像は、「冴木みやこ」さんのフリー素材をお借りしています。
https://www.pixiv.net/member.php?id=66889
素敵なイラストですよね。