皆様こんにちは!
今回は社内でプラスチックの真空注型を勉強しようということで、実際に必要な機材を準備し、何人かのメンバーでトライしました。
注型とは、物体の型をつくり、型に樹脂を流し込み硬化させた後、型を取りはずし物体の形を複製する方法です。型をシリコンでつくる方法では、金型に比べ製作時間が短く、費用も少ないというメリットがあります。しかし、シリコンは耐久性が劣るため、生産できる個数は少ない、寸法が安定しないというデメリットもあります。
材料・道具
シリコン
硬化剤
レジン
MEK
レゴブロック
ガムテープ
計量カップ
はかり
ゴム手袋
スプーン
かき混ぜ棒
割り箸
新聞紙
カッター
クランプ
木の板
モノを決める
注型で作りたいモノを選びます。
今回はお弁当のタコさんウィンナーに刺さっているような動物のピックにしました。色は5色で、犬さん、兎さん、象さん、ライオンさん、ねずみさんが持ち手になっています。
レゴを組み立てて箱をつくる
レゴでピックの周りに囲いをつくります。囲いの下にもレゴで底をつくります。ガムテープをレゴの隙間からシリコンが漏れないように貼り付けます。
複製するものを箱の中に置く
ピックを箱の中に浮かせるように配置します。
シリコンと硬化剤を量り、混ぜる
箱の体積を算出して必要なシリコンとシリコンの10%の硬化剤を用意します。かき混ぜ棒やナイフで空気がなるべく入らないように混ぜます。
真空内でシリコンの気泡を抜く
※本来はこの工程を通りますが、社内の真空装置の部品が行方不明なため、今回は省略します。
レゴの箱に流し込む
シリコンは液体のりのようにドロドロとしています。床に落とすとベタベタになってしまうので注意です。
加熱して硬化させる
炉に入れてシリコンを固めます。計量カップやかき混ぜ棒やナイフなど、シリコンの付いたものも炉に入れて固めます。60℃に設定します。
硬化したらシリコンを取り出す
完全に硬化したことを確認した後、レゴの箱を分解してシリコンを取り出します。固まったシリコンはコンニャクほどの硬さです。
シリコンを半分に切り、中身を出す
このとき、切り口が波形になるようにナイフを入れ、切断します。
シリコン型にゲートをつくる
レジン(樹脂)を流し込むための通り道=ゲートと空気抜きのための溝を掘ります。
シリコン型を固定する
流し込む前に、レジンが漏れないようにテープでぐるぐる巻きにして木の板に挟み、クランプで固定します。
レジンを用意する
2種類の樹脂を混ぜると硬化します。割合は1:1です。それぞれ用意します。
レジンを型に流し込む
2種類の樹脂をよくかき混ぜて型に流し込みます。レジンは硬化が始まるのが早いため、早く流し込みます。あまり急ぐと混ぜ不足で硬化不良(固まりきらない)が起こるため、気をつけるポイントです。インクを混ぜて着色しても良いです。トントンとたたいて型の中の空気を抜きます。
硬化を待つ
レジンは硬化すると白く不透明になります。正確にはアイボリーという色になります。
型から取り出す
硬化したら型を開き、型から取り外します。
硬化不良を起こし、いつまでもゴムのように柔らかいピックになってしまいました。混ぜ不足でした。(T-T )( T-T)ウルウル
余りのレジンです。こちらも硬化しきっていません。(T-T)ヽ(-u-)ドンマイ
ここからは別の型の写真になります。
ゲートカット、バリ取りをする
ピックに余分なレジンがついているので、後加工で切り落とします。
完成!
お弁当で使えるレベルです!動物の細かい線も出ています!
お疲れ様でした。
いかがでしたか?シリコン注型は細かい部分まで成形できることが分かりましたね。上手に出来なかった部分もありますが、これも学生さんの経験ということで。
皆さんもシリコン注型、してみませんか?