これまでの経緯とチーム、これからの事業について

buoy事業の現状

【これまでの経緯】

buoy事業はこれまで以下の曲折を経て事業展開してまいりました。

2017年
12月 テクノラボデザイナー田所が中心となり、社内有志でプラスチック素材の価値を研究する勉強会
「Plas+tecプロジェクト」を開始(プラスチックの付加価値を、デザイン面・技術面・社会面から再考するプロジェクト)

2019年
春 Plas+tecプロジェクトの活動を社会問題としての海岸漂着プラスチックごみに絞り始める
9月 神奈川スタートアップキャンプ選出
11月 海岸漂着プラスチックを使用した初めての商品「reBirth」のクラウドファンディングを始める。

2020年
3月 クラウドファンディング商品完成、発送
5月 海ごみゼロアワード(AEPW賞)受賞
6月 製造技術の特許出願
7月 ブランド名を「reBirth」から「buoy」へ一新。 商標登記。
9月 buoyLLC設立 Plas+tecプロジェクトの事業を移管
ソーシャルプロダクトアワード受賞
10月 ルームス 選出出展

 

2021年
2月 Makuakeクラウドファンディング出稿
3月 ててて商談会 選出出展
4月 ワークショップ活動開始
6月 JETRO 匠NEXT選出
9月 オーガニックLIFEエキスポ出展
10月 ててて商談会 選出出展

2022年
2月 製造技術の特許取得(第7026408号)
8月 神戸SDGsチャレンジ選出
11月 小値賀島mu(buoyからのOEM)が福岡デザインアワード大賞受賞

2023年
1月 TopDrawer(ロンドン)春 出展
4月 直営店舗オープン
8月 東京ビエンナーレ協力出展(超分別ごみ箱)
8月 GSAP(クリーンテックコース)選出
9月 TopDrawer(ロンドン)秋 出展
10月 宗像国際環境会議 スピーカー登壇
11月 コラボ事業:小値賀島muがグッドデザイン賞受賞

2024年
1月 GSAP アクセラレーションプログラム終了

実行チーム

林 光邦  Founder

東京都立大卒

プラスチック素材の研究者である祖父プラスチック成型工場の社長である父という家系に育ち子供の頃よりプラスチックをこよなく愛する。大量生産になる以前のプラスチックの製造方法に強い関心を抱く。

テクノラボというプラスチック部品の少量生産を行う会社を経営しており製造技術および金型を安価に生産するノウハウを多く有する。こうした技術がbuoy事業に引き継がれている。

 

田所 沙弓  co-Founder

多摩美術大学卒

プロダクトデザイン科を卒業したのちそのままテクノラボに入社した。インハウスデザイナーとして10年間の間、数多くのプロダクトデザインを手掛けると同時に企業のブランディングについても独自の学習を続けている。buoy事業の受け皿となったPlas+tecプロジェクトの発起人でもある。

小槻 あずさ  Sales Manager

北九州市立大卒

大学卒業後、百貨店にて対面営業と商品バイヤーを長く行っていた。そのノウハウを活かしbuoy事業では百貨店や小売店に対しての折衝と、企業向けのoem製品の販売を行っている。

小林 輝星  Communication

アジア太平洋立命館大卒

学生時代環境問題に関心があり、自らも環境に関わるビジネスを小規模ながら立ち上げ運用してきた。その中でbuoy事業を知ることとなり、大学卒業後そのままbuoy事業に合流することとなった。堪能な英語力を背景として海外での展示会やワークショップも運営している。

 

ボランティア団体

現在日本国内で約30団体のボランティアグループがbuoy事業に協力している。

海岸漂着ごみの回収システムとしては現時点で国内最大規模のネットワークでありこのネットワークにより2023年はおよそ2tのプラスチックごみを再生することが可能であった。

2025年までに100tのプラスチックごみを再生することを目標としている。こうしたボランティア団体こそが我々の貴重な実行チームでの一員である。

 

【顧客像】

現在の顧客像

これまでの商品販売を通じかつ自社店舗での聞き取りを繰り返すことによって、具体的なお客像が明らかになってきています。’buoy商品を購入する顧客は、環境に対してもやもやとした気持ちを持っているものの、具体的に自分が何をすればよいのかわからない、知的水準の高い層でした。

 

こうした顧客は押し付けられることよりもむしろ自らが学ぼうとする気持ちを持っている状況で’buoy商品に出会うと素直に受け入れて購入する傾向があることがわかりました。

 

これらの経験から’buoy商品はエシカルショップのような特定の思想背景が強い場所で販売されるよりも、教育コンテンツとして提示する方が受け入れられやすいということが分かりました。具体的には20代後半から40代までの社会問題に対して関心が強い独身層、子供の教育に際して社会問題に向き合うことを余儀なくされる家族層等がメインのターゲットになります。

社会問題への関心という点では海辺のサーファー等は日ごろから海岸付近でごみを見ることが多く、問題意識が高いので強い関心を有し、売り上げに貢献することが分かりました。

 

美術館・水族館・博物館といった場所での商品販売は非常に売上水準が高くなり、大学等と共同で行う販売会などでも海ごみ問題の背景説明などがある場合、大きく売り上げを伸ばすことが分かっています。こうした販売履歴は顧客層の仮説を裏付けると共に、教育コンテンツとしての販売の可能性についても示唆を与えます。

【これからの販売戦略】

(4)企業SRI

一方、市場で商品展開を行う場合、すぐに爆発的な成長が期待できないことも理解できました。buoyはライフスタイルの提案がその本質的価値なので、啓蒙期間が必要となります。現在購入してくれている層は、啓蒙なしに既に自分で環境問題を学んでいる方々が中心であり、この購入層の規模は限りがあります。

buoy商品は全体としてのストーリーや活動をより認知して初めて購入してもらえます。大手企業のCSR活動とコラボレーションしてbuoy製品を使って貰い、その認知度を広げることは戦略上有効です。buoyの販売量も増やす(ごみを減らす)ため、大手企業とのコレボレーションを第一戦略に切り替えます。

<顧客像>

企業の社会的責任に対しての要求が大きくなる中で、ESG・CSR活動にかけるべき費用の質と量が変わりました。まず金額は年々増大しています。そしてESG・CSR活動にかける費用が従来のような広報の費用ではなくマーケティングの費用と認識され始めています。

風評の悪化による急激な売り上げ減を避けるため、マーケティング部門はグリーンウォッシュのリスクがなく、社会的受けの良いサービスを探しています。また強いファンがいるサービスはインフルエンサーとしての役割も担えるので、消費者との結びつきに不安を感じる企業にとって魅力があると映ります。

buoyプロダクトの活動支援(企業としての購入や一緒の活動)は、直感的に理解し易くグリーンウォッシュリスクが少ないPRになります。また体験ワークショップにより繋がりの深いファンが増え、SNSも盛り上がり始めているので企業はコラボレーションする動機を持ちやすいサービスと言えます。

<市場規模>

グローバル市場:TAM(300兆円)、SAM(6.4兆円)、SOM(3兆円)

  1. TAMの算出

<対象市場の定義>

対象市場: 環境に配慮したマーケティング活動に取り組む企業全般。

製品カテゴリ: 海岸漂着プラスチックゴミを利用したアップサイクル製品を使った広告支援。

<市場規模のデータ収集>

日本市場

対象企業数: 日本国内には約400万社の企業がありますが、そのうち環境マーケティング活動に積極的に取り組む企業は約10%と仮定(環境省や経済産業省のデータを参考に推定)。

平均広告予算: 環境マーケティング活動に割り当てる広告予算は、年間平均500万円と仮定(国内の広告市場におけるデータを基に推定)。

グローバル市場

対象企業数: 世界には約2億社の企業が存在しており、環境マーケティング活動に積極的に取り組む企業は約10%と仮定(世界銀行やOECDのデータを参考に推定)。

平均広告予算: グローバル平均で環境マーケティングにかかる広告予算を10万ドル(約1,200万円)と仮定

<TAMの計算>

日本市場

TAM(日本) = 400万社 × 10% × 500万円 = 2兆円

 

グローバル市場

TAM(グローバル) = 2億社 × 10% × 10万ドル = 2兆ドル(300兆円)

 

  1. SAMの算出

<対象市場の絞り込み>

対象企業の絞り込み: 海岸漂着プラスチックゴミのアップサイクル製品を使った広告支援に関心を持つ企業は、全体の20%と仮定。

<SAMの計算>

日本市場: SAM(日本) = 2兆円 × 20% = 4,000億円

グローバル市場SAM(グローバル) = 2兆ドル × 20% = 4,000億ドル(6兆円)

 

  1. SOMの算出

<競合分析と市場シェアの見積もり>

市場シェア: 競合他社とのシェアを考慮し、自社が獲得できる市場シェアを5%と仮定。

<SOMの計算>

SOM(日本) = 4,000億円 × 5% = 200億円

SOM(グローバル) = 4,000億ドル × 5% = 200億ドル(3兆円)

 

<販売戦略>

日本国内においては製品販売やワークショップを通じて、企業ESG担当との接点を増やします。小規模なワークショップ共催から、徐々に企業コラボ案件を増やして巻き込みを図ってゆきます。

世界規模での海流の流れとゴミの問題に取り組むことで、国際企業とのコラボレーションも行うことを目標とします。

 

(5)リサイクル設備

島嶼部などでは漂着したプラスチックごみを処分するために本土にゴミを輸送するなど、多額の費用を掛けています。こうしたプラスチックごみをその場でリサイクルして資源に変えることが出来れば、島嶼部のゴミ問題の解決に大きく貢献します。そのため島嶼部で簡便に設置できる設備を開発し、販売することをその次の目標としています(2026年以降)。

島しょ部ではゴミの輸送費がかかるため、小型分散型のゴミ処分集積を行いたいというニーズを有しています。しかし現在は廃棄物処理機器が極めて高額なので、小さな島では設備費用を負担できません。 buoyの設備はプラスチックごみ処理設備として考えると非常に安く購入できるので、こうした島嶼部の基本ニーズに沿っています。 それ以上に設備導入することで、同時に島嶼部に小規模ながら産業を創出できるのでゴミの輸送の代替手段として非常に魅力的であるため、リサイクル設備の販売は海洋プラスチックごみの削減に大きく貢献すると考えています。

<顧客像>

日本の場合は島嶼部や隔離された集落を持つ市町村などの地方政府が顧客層です。

日本の地方政府ではこれまでの実績が重視されることと、廃棄物処理法の縛りのためこうした新しい技術の導入が進んでいませんでした。しかしプラスチック新法と再資源化等の高度化法の施行によってリサイクルの流れが進むことで、各地方自治体もリサイクルに取り組まざるを得なくなります。法制度の変わり目において、こうした設備の導入へのニーズが高くなると想定しています。

 

海外の場合はそうした地域への支援がCSR活動となる国際的企業や政府支援団体です。こうした海洋プラスチック排出地を抑えることは重要ですが、外国であるため法制度で縛ることが出来ません。ごみを資源に変えるという経済的利益によってのみ、排出を抑えることが可能です。

初期費用の負担がなければ排出地はメリットしかないので、政府支援団体や国際企業等の協力で設備の導入を目指してゆくことが出来ると考えています。

<市場規模>

TAMとなる市場は世界で182兆円(35.7B$)あります。SOMとなる市場は24.5兆円(17.8B$)あります。

<販売戦略>

日本での販売では、ボランティア団体のコラボレーションにより、まず地方に接点を持ちます。次にボランティア経由で地方自治体とネゴシエーションを行います。

日本国外では、JICAなどの日本政府支援機関や、国際企業、国連等とのコラボレーションを行うことで、流出国以外の資本を利用した設備の設置を目標とします。

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