5月某日、テクノラボの社員4名で中国に出張に行ってまいりました。二泊三日で中国深センと東莞の工場4箇所訪問、華強北(ファーチャンペイ)という世界最大の電器街、土曜日の自由時間で香港散策という強行スケジュールです。
さらに、私にとっては人生初の海外旅行だったのでインプットの多い3日間を過ごすことができました。細かいそれぞれのレポートや、発見は別の記事に書くとして、この記事には3日間を通して全体的な所感をまとめたいと思います。
自然と文様とタイポから成す街
○生活に溶け込む自然の違い
初めての海外、初めての中国の私が見た深センという街はとにかく自然と文様とタイポが溢れていました。
深センはデジタル化の進んだ都会だよと聞いていたので、行って意外だったのが自然が多いということ!高層ビルが密集する地域でも必ず植物が目に入ります。しかも広大な土地のせいか、東京の街中にあるようなわずかな自然ではなく結構がっつり!!花もたくさん咲いていて良く手入れがされています。都市部からはなれ東莞の方の工業地帯にすすむと雑多な感じにはなりますがそれでも自然が溢れています。
それに、オフィス内や工場内(設計者や営業さんのデスク)にも必ず植物が活けてあったのがなんだか強く印象に残っています。
なんとなく「未来」や「未来都市」「近未来」をイメージしたイラストって2種類に分かれるよな~ってことを今まで思っていました。“自然の全くない人工物ばかり”のタイプと“緑化計画的に人工的に自然を配置する”タイプ。日本も都会だと管理や手入れのしやすさが重視されているなと感じてしまうことがままあります。ですが深センの場合なんでこんな手入れのしにくい場所に植えたんだよと思うような場所に植物があったり(しかも花が咲いている:笑)、都会の街路樹に大きな実をつけたマンゴーがなっていたり・・・『完熟したマンゴー(ウルシ科)が降ってきたら大変そうだな』って考えてしまう自分に比べ、自分と深センの人の生活の中での自然の在り方の違いがこうやって現れるんだなと一人興奮しておりました。
○文字が装飾される建築
そして避けては通れぬ文字だらけの街!!!!日本と違って写真やロゴなどはほどんどなく、ひたすら文字がひしめいていました。ただ、馴染みある漢字でも読めないせいか意外とやかましく感じません。新宿や秋葉原と違って趣があるように感じてしまうのは外国人効果でしょうか。
色の組み合わせはサイケだし、フォントも揃っているわけではないのに統一して見える感覚は不思議なものでした。
簡素なラインを好む日本と装飾的なラインを好む中国
中国と比べると日本のデザインがシンプルで簡素なものが好まれていることがよくわかります。
日本では工芸品や民芸をデザイナーとのコラボでモダンな新製品を作る動きがしばし見受けられますが、手法的には規則的なシンプルなものにリデザインされる傾向を感じます。人の周りにあるプロダクトの数があまりに増えたゆえの傾向かと受け取っていました。
それに対し、中国でも繁華街では流行に合わせたデザインにアレンジされていますが、装飾や自然的なモチーフが好きなんだなという印象が残されたラインから強く感じます。
もちろん、中には“ラインのだらしない製品”や“主張が多くがやがやした製品”“チープなデザインの製品”も溢れています。ですが、OEMやパクリではなく中国ブランド/デザイナーとして製品をみたとき自然や装飾を尊重する姿勢は強い武器になるなぁと感じました。
昨今の、家電などの製品の小型化、さらには製品同士が融合し家の中のプロダクトは存在感が薄まっていきます。
そうなってきたとき、無機質/簡素路線につきすすむのも手ですが、植物や装飾を愛した人のほうが面白いラインが引けるのではないかなと少し気が引き締まりました。
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