プラスチックでものづくり 株式会社テクノラボ

プロダクトデザインの意義

デザインは何だか曖昧模糊としていて、良く分からないもののように感じる、という話をとても良く耳にします。当社には現場からの景色しか見えませんから、美大の先生とは違った答えかも知れませんがプロダクトデザインの意義をこう捉えています。

@付加価値をつくること
Aそのための外観意匠をつくること
B内部構造についても基本的な着想をつくること

ちょっと大上段からの発言ですが(笑)、付加価値をつくる(@)というのがデザインの本質だと思っています。現代ではモノの値段を消費者が決めていると言えるので、高い値段で購入されるモノは高い付加価値を消費者が認めていることになります。
ストレートに言い換えると、デザインとは「高い値段でもちゃんと売れるの?」という質問に応えることだと思っています。

たとえば雨傘なら、売られる場所とタイミング、売り方によって価格は変わってきますし、コーヒーも会社で飲むのとスタバで飲むのでは価格は変わります。その「どうして」がちゃんと決まっている商品は付加価値があるわけで、「デザインされている」といえます。
このページを読まれる方は、自らが製品開発に取り組む方で、既に作りたいものがお有りでしょう。皆様の製品がいつ、どこで、誰に必要とされている、ということが分かっていれば、それ自体もう「デザインされている」と当社は思うのです。すでに世の中に対して、新しい付加価値を提案している訳ですから。

ただこれを具体化するためには、外観意匠を創ること(A)、内部構造についても基本的な着想をつくること(B)が必要で、その作業にはそれなりに技能的な習熟が必要です。 これをデザイナーと呼ばれる人々が担うのです。

プロダクトデザイナーがしてくれること

A.売れる外観を作ること

B.内部構造の基本的な着想をつくること

そしてデザインは外装で完結するものではなく、使われて初めて商品になる訳ですから当然内部の構造等については、成り立つものが考えれられている必要があります。
これが「プロダクトデザイン」のもう一つの仕事です。

ただ「プロダクトデザイナー」の中には、この前段階(付加価値をつくること@)まで入り込んで仕事をする反面で、ものづくりとのつながり部分である内部構造には無頓着な方が相当数いらっしゃるようです。
その賛否は使う方が決めるべきですが、当社の経験から見ると内部構造が無頓着にされたまま外観だけが一人歩きする製品開発は、結局頓挫するケースが多いという印象を持っています。

ちなみにこのような「プロダクトデザイン」がちゃんと完成していると、製品開発における協力者の合意を取り付け易くなるというメリットがあります。
既に販路を有している企業は別として、多くの製品開発では程度の差こそあれ販路の開拓も同時に進められることとなります。その場合、製品開発の予算を決める経営陣や、その製品を販売する営業部門、あるいは製品を持ち込んだ販売代理店など、多くの方々の協力を得られなければ、すばらしい製品も世に出ないで終わってしまうかも知れません。製品の開発者と違い、多くの営業分野の担当者は機能や技術の評価が出来ないことが多く、分かりやすい見た目で判断を下されることが多いようです。
ですからデザインがあることで製品の販売に携わる人々に、これなら売れる・売りたいと思わせることで協力者の合意が取り付けられることになるのです。

内部構造はともかくとして、デザインに外観だけを求めるという考え方は案外こういう機能が重視されてのことかも知れませんね。
ちなみに英語の「Design」は外観デザインと内部構造デザイン(設計)を分けて表現していないことから、このような手法は日本独特なものなのでは?と推測しています。

実際の作業内容

<イメージの実体化>

<ブラッシュアップ(外観デザイン)>

<内部構造の検討(構造デザイン)>

外観デザインと並行して、内部の機構的なデザインも検討してゆきます。
これは単に絵として成り立っているだけではなく、使う素材、加工方法を考慮した上で実際に作れるものとして構造デザインを行わなくてはならないため、モノづくりの膨大な知識が必要とされます。

デザイナーと呼ばれる人々の中で、本職のプロダクトデザイナーが極端に少ないのです。その理由はこのような知識を習得する環境が、ほとんどないためです。

以上が通常プロダクトデザイナーが行う作業です。もちろん、審美眼のあるかたは自分で行うこともできます。

ただ、私個人の見解としては、多少費用が発生してもやはり本職のプロダクトデザイナーに依頼する方がいいだろうな、と思っています。 人は何か見分ける能力は元々高いのですが、それを再現する能力は鍛えなければ高まらないからです。 変な例ですが、犬種を細かく言い当てられる人はたくさんいますが、それぞれの犬種を描き分けられる人はほとんどいません。 またスポーツカーの種類を細かく言い当てられる人はたくさんいますが、それぞれのスポーツカーを絵に描き分けられる人はほとんどいません。 でも製品をつくるとは、まさにこの描き分け作業のようなものです。 プロダクトデザイナーはこのように既存の製品を良く見て記憶していて、かつそれをカタチを変えて再現するという基礎能力を鍛えてきたプロです。中々、素人に真似できないだろうな、と思うのです。 そしてそれ以上に構造デザインの経験はほとんどの方には積めないからでもあります。

デザイナーへの依頼方法

@デザイナーを探す

Aデザイナーの選択

<仕事の範囲>

<コスト計算>

Bお勧めするデザイナー

慣れない内は、製品コストまである程度提案できるデザイナーに依頼するほうが無難でしょう。
デザイナーの仕事はカッコいいものを作ることと割り切って、コスト度外視で進めることが出来れば理想だとは思いますが、デザインだけで商品が売れるほど甘い社会でもありませんので。

その時の判断基準としては、デザイナーが自分が提案した形状について、作り方を丁寧に説明できるか、特に金型などの大きな費用が発生する部分をキチンと説明できるか、確かめることである程度は分かると思います。 それから3次元でデザインを提案するデザイナーさんの方が、お勧めです。 3次元グラフィックか、CADで絵を描けば、描きながら形状の問題点が見えてきているハズですから、「カタチにならない」デザインにはなりませんから。

特に工業デザイナーとしてのキャリアが長い方は、ソリッドワークスのようなキチンとしたCADでデザイン提案してくる方も多くいらっしゃいます。そういった方は経験豊富で安心できると言えるでしょう。

逆に学生や若いデザイナーは少し注意をして見た方が無難です。若いデザイナーは感性が素晴らしく、ビックリするくらい素敵なデザイン画を描かれることが時々ある一方で、プロダクドデザインに必要な基礎知識や経験が不足していて、構造的に作れない形状になるケースがしばしばありますので。

デザインにかけるコストの位置づけ

自分でデザインすれば、デザイン費用は無料です。
デザイン性が不要な製品なので、デザインにコストはかけないという方をたまにお見受けします。ちょっとあぶなっかしいなぁ、と製品開発を多く受けてきた私は感じます。

これはデザインのもつ積極的な面ではなくて、消極的な面ですが、経験上「どんな商品であっても外観デザインの悪いものは売れなくなる」と思っています。
「使う人が現場の人だからさ、気にしないんだよ」とか「機能重視だからさ」等々の理由で、外観を重視しないという考え方は、とても理解できます。
しかし、製品が売れてゆく全プロセスを通して見た場合、全てのキーマンが全員デザインを気にしないということは余りありません。
結局デザインの悪い製品は、販売するまでのどこかで足を引っ張られて上手く売れなくなるように思います。

一方で良いデザインをすることで、大きく売上を増やすことができる、というデザインの積極的な側面もあります。

デザインが強い力を発揮するのは、おしゃれな製品ではなくて、無骨な業務用機器なのではないかと最近感じ始めています。おしゃれな消費者向け製品はデザイン競争が厳しく、ちょっとかっこよくしただけでは目立つことが出来ません。でも業務用機器などは機能重視の歴史が長いので余りデザインされていません。そこでデザイン性の高い製品を投入することで、圧倒的に目立つことができるからです。

ご自身が開発しようとする製品の位置づけと、そこでデザイン性がどう評価されるかをもう一度よく検討されて、予算幾ら位までならと覚悟をしておけば、デザイナーさんの見積もりにビックリしなくて済むでしょう。
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