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プラスチック=安いというイメージを作った功績(?)は何といっても100円ショップによるものでしょう。
当社に問い合わせに来る方でも、「こんなものが100円ショップにあったから、似たようなもので100円以下で作りたい」という方が多くいらっしゃいます。予定製造台数を伺うと100台だったり1,000台だったり・・・ 「残念ながらその数量だと初期費用の償却があるのでそんなに安くはならないと思いますよ」と教えて差し上げると、がっかりされるケースがとても多いのです。
プラスチックは大量に作る時にはかなりコストをおさえることが出来ます。よくある100円ショップの製品で考えて見ましょう。
例えばこんな製品をつくる場合を考えます。
部品程度のちょっとしたプラスチックおもちゃについての原価です。
/写真/
<100円ショップのある製品の例>
初期費用
製品企画の人件費:300,000-
設計者の人件費:350,000-
試作品の外注費:250,000-
金型作成費:6,100,000-
(合計:\7,000,000-)
製品代
材料費:@10
加工費:@35
パッケージ代:@10
(合計:@55)
3000店舗あるチェーンで、各店舗毎月10個ずつ売れるとすると、月間消費量は30,000個、年間36万個ですから、約3年で100万個使う計算です。
ですから100万個で償却すると考えるとすると、
100万個製作時の合計原価
\7,000,000+(@55×1,000,000コ)=\62,000,000
100万個製作時の最終原価
62,000,000÷1,000,000=@62
100円で売っても十分利益が残ることになりました。
ところが、同じ製品を1,000個しか売れない会社が作ったとしたらどうでしょうか?
<同じものを千個だけ作った例>
初期費用
(合計:\7,000,000-)
製品代
材料費:@10
加工費:@45(数が少ないので10円増し)
パッケージ:@20(数が少ないので10円増し)
(合計:@75)
1千個製作時の合計原価
7,000,000+(75×1,000)=70,075,000
1千個製作時の最終原価
70,075,000÷1,000=@7,075
如何でしょう。
100円ショップで売られる商品が、突然7千円の高級品に変わってしまいます。初期費用が高くなるプラスチックが小量生産に向かない所以です。
初期費用の中で一番大きなウエイトを占める金型費を、簡易型などによって圧縮しても、やっぱり製品は随分と高いものになるでしょう。
例えば当社にもアイフォーンのケースを100個単位で作りたいという要望が多く寄せられた時期がありました。 でもこの位のロットなら上記のような話から革や布の細工品で作った方がずっと原価が安くなります。 プラスチックより高級感が出しやすいということで、革細工に切り替えるお客様も多くいらっしゃいました。
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