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プラ製品の出来るまで
1.製品企画
2.デザイン
3.設 計
4.素材選択
5.試 作
・切削加工
・光造形
・レーザー焼結
・その他積層造形
・真空注型
6.金型製作
7.成 形
8.後加工
9.組 立
10.完 成
コラム
HOME>プラ製品のできるまで>試作>光造形
光造形
光造形は積層造形と呼ばれる試作法の中で最も最初に実用化した試作方法です。
2次元形状が自由に描画できるレーザーを備え、液状のエポキシ樹脂を溜めた装置を使って試作します。この素材はレーザー光を当てると固まる特性があるのがミソです。
先ずCADで描いた3次元図面を細かく(0.1mm刻み程度)にスライスします。そしてスライスした断面図をレーザーで素材液面に描画して、それを重ねてゆくことで形状を作るのです。
最初の断面図をレーザーで描画すると、エポキシ液の中には一層分だけ固まった断面図が出来上がっています。次に液面を0.1mm上げ、そこにまた断面図をレーザーで描画してゆきます。この作業を繰り返して、製品の上端部の高さになるまで積上げてゆきます。すると製品の形状が液状のエポキシ素材の中に沈んで出来上がっていることになる訳です。
光造形は液体の中に形状を作る手法なので、作った形状が流れて行かないように、土台に固定するための「サポート」と呼ばれる付随部分が必要になります。
これらの「サポート」は最終形状が出来上がった後、取り外されることとなります。
<長 所>
この試作法の長所は、何よりも加工が速いことです。
梳り出しと違い、一度にたくさんの製品を作ることが出来ますし、何より無人で作業することが可能です。
夜装置を動かして、朝にはサンプルを取り出すことが出来るわけです。
この試作法が出た当初は、装置がとんでもなく高額でしたから、その償却をする必要から試作の費用も高価でした。しかしその試作費も現在では気にならない位、安価になってきています。
また梳り出しではエンドミルが入らない為に出来ないような加工形状でも、比較的自由に作れる点も利点とされます。
<短 所>
光造形の短所の最大のものは、やはり素材です。
液状エポキシを固めて作りますから、その液状エポキシの物性が試作品物性となるのですが、まだまだ製品として十分といえるレベルではありません。
この技術が出始めた当初は、直ぐに変形するというトラブルが多く語られました。現在はそこまでひどくはありませんが、やはりもう一息といったトコロです。
また細かいとは言え、断面を重ねてつくるため積みあげた段差が曲面にあらわれ、その部分の見栄えが良くありません。
通常はそこを磨いてきれいに仕上げますが、みがいてしまえば当然精度も悪くなってしまいます。
さらに他の(粉体系の)積層造形との比較で言われることですが、サポートをつける必要があることから、「完全に自由な形状が作れるわけではない」とも言われることがあります。
それからこれは光造形だけではなく、全ての「積層造形」に共通の欠点なのですが、断面を積み重ねて作るために、高さ方向の誤差が累積し易いという弱点があります。
つまりXY方向の精度はそこそこ狙えるのですが、Z方向の精度がどうしてもアバウトになってしまいます。
<現 状>
光造形を嚆矢として、多くの積層造形(断面を積上げて形状をつくる試作法の総称)が普及しました。
積層造形を普及させた功労者として、プラスチック業界における第二の革命と呼べるのが光造形だと、個人的には思っています。
現在ではかなり技術内容もこなれていますが、反面で価格の下落が激しく、この装置を使った試作メーカーは相当苦戦を強いられているようです。
技術がブレイクスルーするには、更に素材の品質が上がりそのまま量産製品に出来るレベルになることが求められるのでしょうが、技術力のある大手メーカーが開発を行なうほどの市場規模でもなく、開発が進まないのが現状です。
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